鈴木ユートピア

31歳、写真、キャンプ、バイク、旅

52ヘルツのクジラたち

 

今週のお題「雨の日の過ごし方」

 

 先日「梅雨こそ読書!」みたいなことを記事で書いたこともあって、仕事終わりのまま辻褄合わせみたいに本屋に行った。最近小説を読んでいなかったので小説を買いたかったのだ。最近は別に推しの作家さんがいるわけではないので小説選びは「ジャケ買い」になる。本のタイトルと装丁だけ見てピーンと来たものをえいやっと買ってしまうのだ。

 

大体はあんまりうまくいかない。ここ数年小説を読んで素直に面白いと感じることがない気がする。だから正直言ってあんまり期待していない。期待していないからこそ、新たなに出会いを求めるような気持ちで、書店で「一本釣り」をするのだ。その作業は結構楽しかったりする。

 

『52ヘルツのクジラたち』という小説が平積みされていて、それを買うことにした。タイトルが素敵なのと、あと帯に「本屋大賞受賞作!」と買いてあったからだ。本屋大賞は普通の文学賞と違って、本屋の書店員の投票で決まるらしい。書店員はきっと普通の人よりも色々な本を読んでいて目も肥えているから、その人たちが賞賛したなら面白いであろう!という感じがする。たしかに以前読んだ『蜂蜜と遠雷』も『羊と鋼の森』も良かった。

 

 本を買って外に出て大戸屋に向かった。和風のご飯を提供してくれるチェーン店だ。そのまま家に帰って読んでも良かったんだけど、家だとあんまり読書がはかどらない。パソコンとかビールとか誘惑が多くて結局本を読まないことが多いのだ。だから喫茶店とかファミレスの方が読書には良い。僕の場合は。全ての生活環境の中でいちばん読書がはかどるのは電車だ。1/fの一定のリズムに揺られながら、適度に人がいる中で黙々と本を読むのは至高の時間だ。あとはショッピングモールのベンチとか。そういう中途半端なところで本を読むのが好きだ。逆に図書館とか自宅とか、「はいどうぞ好きなだけ読んでください」という環境を与えられてしまうと全然読書に集中できない。30分くらい経ったところで「もうそろそろいいかな」と思ってしまう。勉強とかでも完全な無音よりも少し生活音なんかがあったほうが集中できるらしい。だからスタバとかで勉強しているのもあながち意味がいないわけではないらしい。とはいえスタバで勉強している人が多すぎて全然席が空いてなかったりすると「家でやりな!」って気分になるけどね。

 

大戸屋でご飯を食べながら本を読み始めて、ご飯を食べ終わったらパフェとコーヒーを注文して黙々と読む。一回集中し始めると周りの視覚情報とか音がシャットアウトされるので、ふと気づくと周りの客が完全に入れ替わっていたりする。いったん集中してしまえば1時間読んでいると小説もだいぶ読み進められる。仕事終わりの時間をyoutubeを観たりプライムビデオを眺めたりではなく、読書に充てている自分!みたいなものに一抹の満足感を覚える。完全に自己満足の範疇だけど、自己満足ってけっこう大事なんじゃないの?と思っている。ちなみに大戸屋はごく小さい音量でジャズが流れていたりして、雰囲気がすごくいいので読書にオススメだ。

 

 

おしまい

 

 

 

52ヘルツのクジラたち

52ヘルツのクジラたち