鈴木ユートピア

31歳、写真、キャンプ、バイク、旅

48℃の温泉の話

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温泉街といえばとりあえず硫黄臭いというのが定石だ。

いわゆる「日本三大名泉」と呼ばれる温泉名所といえば「下呂草津・有馬」と相場が決まっている。これは徳川家康以下四代将軍に仕えた儒学者林羅山という温泉野郎が勝手に決めたものである。下呂温泉街の中心にも林羅山が手拭い片手に猿と遊んでいる銅像が立っているくらいだ。ちなみに草津は硫黄臭いが下呂は硫黄臭くない。温泉の成分の違いだと思う。

 

こないだ友人と那須に旅行してきた。全員がガンプラを持ち寄って旅館でひたすら組むという不可思議なイベントだったが、卒業旅行らしく楽しいものになった。

 

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その中で面白い温泉に出会ったのでそれについて語りたいと思う。「鹿の湯」というのがその温泉の名前だが、上の写真のようにブロック状に温泉が配置されている。

温泉の数は全部で六つあるのだけれど、実はこの温泉、ひとつひとつ温度が異なる。

 

41℃・42℃・43℃・44℃・46℃・48℃と温度が上がっていくのだけれど、まずは身体を流してから41℃に入ってみる。雪が降っていたということもあり身体は冷え切っていて41℃でもかなり熱く感じたけれどしばらく入っていると物足りなくなってくる。そこでとなりの42℃に入ってみる。1℃でもずいぶん違うことに驚きながらやや熱い風呂に身体を埋める。チャレンジとして43℃に入るとこれはかなり熱くて、足から順繰りしゃがんで入っていくときもため息が漏れてしまう。

ここは10分も入っていられなくて結局44℃以降には入れなかったけれど、せっかくだからと48℃に腕をぐっと突っ込んでみた。

 

なんだ、いけるじゃないかと思ったのもつかの間、指先から泡立つような痛みが起きて慌てて手を引き抜いた。手を引き抜いても腕全体が赤くなっていて表面がピリピリと痛んだ。ふと視線を上げると老人が気持ちよさそうに48℃の温泉につかっていて空恐ろしくなった。

 

 

帰りは身体中から硫黄臭さを発散させて新幹線の乗り込んだ。オチが思いつかない。おやすみなさい。