もし僕がタバコを吸い続けていたら

今週のお題「私のタラレバ」

喫煙者であった。

初めて煙草を吸ったのは2011年4月30日のことだ。どうして日にちまで覚えているのかというと、東日本大震災があった翌月の、月末に吸ったことを覚えているから。

僕は6年前、東日本大震災のボランティアとして一人で宮城県に行き、鉄塔の下で野宿をしながら主に「畳み出し」と言われるペチャンコになった住宅の中の瓦礫を撤去する仕事に従事していた。まわりのボランティアスタッフは喫煙者が多く、また凄惨な風景の中で心が荒んでいたこともあって煙草を吸い始めた。

それで東京に戻ってきて煙草をやめたかと思えば、バイト先で社員やら店長やらが煙草を吸っていたのでずるずると吸い続けてしまった。確かに飲み屋でビールと煙草(今でも一本欲しくなる！)とか、バイトの休憩時間に外の桜を見ながら一本とか、最高だよね...と打ちながら無性に煙草吸いたくなってきた...!!!!!やばい、たとえ話はこのくらいにしよう。煙草を吸いたくなると無性に手の甲がむずむずする。辞めた今でも禁断症状みたいなものがあるかもしれぬ。

始めた日は明確に覚えているくせに辞めた日は覚えていない。だいたいさ、「この日辞めるぞ！」なんて意気込んでる人なんて成功しないって。禁煙に成功する人ってなんとなーくゆるゆる辞める人だ。ゆるゆる禁煙するからちゃんと続くんだ。

僕の場合はランニングや自転車にのめり込んでいく中で、トレーニング量の増加に伴い「吸ってる場合じゃなく」なって、辞めるに至った。辞めざるを得ないというか、辞めないと身体がしんどいくらいまでトレーニングをしていたので。

辞めるときはアイコスを挟んで、そこから辞めた。アイコスは偉大だ。あ、電子煙草のことだけど。アイコスの凄いところは「ライターがいらない」「一本吸ったら充電するまで吸えない」「手とか服があまり臭くならない」などなど..。煙草に比べて「吸ってる」感が少ないからゆるゆる辞められたんだなと思った。まあ裏を返せば今でも「アイコスくらい吸ってもいいのではないか」っていうのはすごく強く感じるところで、ゆるゆる辞めたものはゆるゆる始められるよね。いやはや恐ろしい。ただ今のところ僕の肉体からはニコチンが完全に出て行っているので身体依存はない（ただ快楽物質を欲する脳依存は一生残る為冒頭のように手の甲がむずむずすることはある。）ので、何とか耐えていきたいと思う次第。

もし僕がタバコを吸い続けていたら、まず身体が臭いと思う。そもそも体・髪・服に常に煙草の匂いが付きまとうので臭い。喫煙者にはほかの喫煙者の体臭で吸っている煙草がわかるときがあると言われるくらいで（僕も今でも「あコイツキャスターだな」くらいなら分かる）匂いはつく。そして喫煙者はそれを自覚できない。それが今ではキンモクセイの匂いサ！

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それから今のように運動を楽しむ日々はなかった！おととい昨日と荒川河川敷をランニング、今日は仕事のあとに温水プールで800m泳いできた。明日は先輩とバドミントンをする予定で、今週末はロードバイクを乗り回す。そんな僕は再来週ハーフマラソンに出場します。（震え声）こんな生活はタバコ吸ってたら絶対ありえなかったと思う。もし煙草を吸っていたら上記運動時間はずっと煙草吸ってた。まあ煙草吸いながらエッセイでも書いて新聞社に寄稿するような充実した人生があったかもしれないので一概に否定できないけれども！

あとはなんだ、会社でも煙草吸ってただろうなぁ。煙草を吸うために会社をちょろちょろっと出て近くの駐車場に行くと必ず先輩とか上司とかがたむろしてて「うっす」とか言いながらそのグループに入って色々喋ったり。そういうコミュニケーションって意外と馬鹿にできないんだよな。喫煙所でしか手に入らない情報、なんて言うと持ち上げすぎだけどさ。残業中22時くらいに同僚と外出て「しんどいわーなんなのあの客」とか言いながら煙草を空に吹きかけたりしてさ。イカン煙草吸いたくなってきた。

もっと色々書きたかったけどマジで煙草吸いたくなっちゃうのでこのあたりで止す。ただ、多くの人が「煙草やめられてよかった」と言う中で、僕としては煙草に良い思い出も結構あるので一概に100%煙草やめて正解とは思ってないかな。ただ現在の生活環境として、とにかく再来週にハーフマラソンが控えていて、春には自転車競技の大会で入賞を狙っているので本当に煙草を吸う余裕がない。うん、煙草なんて吸ってるほど暇じゃないです！！ああ吸いたい！(笑)

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煙草を吸いたくなる映画といえば何といっても「まほろ駅前多田便利軒」だけど、地味に「パレード」で香里奈が煙草を吸うシーンも相当好きだよ。

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おしまい