鈴木ユートピア

31歳、写真、キャンプ、バイク、旅

新卒としてデザイナーに。入社1か月のはなし

 

「デザイナーになった経緯とかかった時間」という記事から読者になってくれた方がいらっしゃったのでこの辺りの話を掘り下げます。

 

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(写真は僕が大学生のときにデザインした照明)

 

andy0330.hatenablog.com

 

 

 

 

それにしても僕がデザイナー関連の記事を書くと、グーグルの広告が記事の文章を拾ってデザイナー養成塾の広告をしきりに出すんだけど「2週間でwebデザイナーに!」とか出てくるんだけどさすがになれるわけないだろ~!デザイナーをなめるな。

 

僕が仕事で部屋の構造を立体的にスケッチしながら喋ってると「うまい!どうしたらそんなに簡単に描けるんですか?!」なんて裏技でも使ってるかのような感動の仕方をされるんだけど、これはたくさん練習したからです...。コツなんてなくて、いや、あるんだろうけど、技術というのは手が覚えるものなので聞き手の小指に鉛筆の黒鉛がこびりついて黒光りして、洗っても取れなくなるくらいデッサンをしてようやく少しだけ人より描けるものなのだ。野球の教科書読んだだけでボールを綺麗に投げられるわけじゃないのと一緒だ。不思議と世の中には「絵がうまい人は元々絵がうまい人種」みたいな考え方をする人がすごく多い。僕は不服だ。

 

むしろ練習してもこのくらいしか描けるようになりませんでした、というレベルなんですけどね。僕の場合。(美術予備校でも下のクラスだった)

 

 

 

僕はデザイナーになるのに7年かかった。

美術予備校2年+大学4年で合計6年。現在入社3年でようやく戦力になり始めた感覚があるので、今ここに来るまでに9年かかった計算になる。

 

入社3年目といったけど、今の会社が初めての会社だ。だから僕はほかの会社のことを全く知らない。よく転職経験のある年上の営業が「うちの会社そうとう変わってるからな」みたいなことを言いながら「ウチの会社に入ってドン引きしたことあるある」みたいな話に花を咲かせていると「マジかよ他の会社どんなんだろ~」とどきどきする。

 

うちの会社はざっくり言うとデザイン会社で、空間演出とかレイアウトとかインテリアとか、そういうことをやる。僕はデザイナーとして客の要望をかたちにしたり、あるいはかたちをつくってコンペで仕事をとったりする。あんまり詳しくかくとまずいのでぼかして表現しているけどね。

 

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僕は空間デザイナーなので、CADソフトを使う。図面を描いたり、立体物を表現するためのツールなんだけど、これが使えないとお話にならない。が、僕はCADソフトが使えなかった。なんと僕は、もともとグラフィックデザイナーとして入社試験を受けて入ったのだ。それなのに入った時に「君は今日から空間デザイナーだ!」と言われて何か気づいたら空間デザイナーの部署の椅子に座っていた。あ、うちの会社やっぱちょっとヤバいわ(笑)

 

1週間の入社研修が終わって、どんなことをやるのか漠然とわかったような気がしたあたりでデスクに案内された。デスクに用意されたデスクトップPCを自分で繋いで映るようにして電源をつけた。windowsの画面が立ち上がって「ようこそ」という文字が表示された。よろしく、と僕は心でつぶやいた。僕はその日今日まで3年間このPCで仕事をしている。

ここからはOJTだった。少し話がそれるけど、あんまりOJTOJTと言う会社は教育が貧弱だ。実戦に入る前の教育を省くなら実戦のためのマニュアルを用意するべきで、そのマニュアルも用意せずに安易にOJTを連呼するのは僕は嫌いだ。幸い僕の部署はOJT中の教育が手厚かったので、マニュアルはなかったが丁寧に育ててもらったと思う。すごく感謝している。

僕があまりにCADを知らなかったので(だってグラフィックデザイナーとして入社したんだぜ?)上司は「まずCADソフトを起動させてみよう」から始まって「直線を書いてみよう」「丸を書いてみよう」というところから教えてもらった。正直、これで「なんでこんなこともわからないんだ!」みたいな高圧的な使われ方をしたら僕は1か月で会社を辞めていたと思う。

 

名刺の肩書き「アシスタントデザイナー」の名の通り僕は上司先輩の仕事を手伝った。すっごく簡単なところからやらせてもらった。図面をPDFに変換する、とか、図面に文字を付け加えるとか。そういう中でも文字のポイント数が違ったり、使うフォントを間違えたり、いろいろやらかした。たぶん起こり得るミスは全部踏んだ。学生時代のアルバイトの頃から僕はずっとそうだ。全てのミスをまず全部踏んでようやく一歩成長する。カフェの店員のときもまずコップを割り、釣銭を間違え、ケーキの解凍数を数え間違え、出勤時間を間違えた。ただこのときの「僕はあらゆるミスをしうる」という自負は今の僕を支えている。

 

 

 

まとまらないけど、今日はここまで。

読んでくれてありがとう。

 

 

 

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