世界で最初に宇宙に行った犬
世界で最初に宇宙に行った犬。それがクドリャフカだ。
ライカって呼ばれることもあるけど、ライカっていうのは犬種でもあったりして色々ややこしいから、当時の報道ではクドリャフカが通称だったみたい。クドリャフカの意味は"Little Curly"すなわち「巻き毛ちゃん」で、宇宙飛行犬として訓練されていた10匹の中で優秀で健康だったから選ばれたみたい。
クドリャフカは1954年生まれ。宇宙飛行犬としてメスが選ばれたのは排泄姿勢の問題があったから。"動物ってほんとーに宇宙に行って大丈夫なの?"っていうことで、要するに実験動物としてスプートニク2号に乗せられて旅立った。1957年11月3日のことだ。
当時の技術ではロケットを発射することは出来ても無事に帰還させることは出来ない。帰りは大気圏の熱に耐えられずに爆発を起こしてしまう。つまり、クドリャフカの冒険は最初から片道切符だったことになる。計画では発射から10日後に安楽死の毒入り餌が与えられて死ぬ予定だった。
当時の人は言った。
二度と帰ることの出来ない美しい地球を眺めながら。
「My life as a dog」という映画の中でも主人公の少年が「人工衛星に乗せられて餓死したライカ犬よりは僕の方が幸せだ」と自分を励ますシーンが印象的だった。
ところが、1999年の論文で「クドリャフカは発射時の熱とストレスに耐えられなかったようだ」という発表があった。確かに当時の状況を考えれば、莫大な費用を投じて、多くの国が注目する中動物をロケットに乗せて飛ばして、「失敗しました」とは言えない。そういうわけで40年以上も「クドリャフカは生きていた」ことになっていた。
実際にはクドリャフカは発射後6時間後には死んでしまっていたのだ。
その三年後、ベルカとストレルカの2匹が宇宙に旅立ち、無事に地球に帰還し、その子犬はケネディの娘にプレゼントされたそうだ。
(ベルカとストレルカのイラスト。かわいい。)