鈴木ユートピア

31歳、写真、キャンプ、バイク、旅

トイレットペーパーを四角くするアタマ

 

 

 

 

突然ですが再来週に高校でお話をする機会を戴きました!

 

こういうの待ってた!

速攻魔法「代休」を発動して平日に高校に乗り込み、15,6歳の未来ある若者に対して2時間しゃべる、というものです。こちら授業の一環なのだけれど趣旨としては「先生でも友達でもない距離感の社会人と触れ合うことで外の世界を学ぶ」みたいなものだと理解しております。なので内容としては自分の身の上話をしつつ、どうしてこの仕事を選んだのか、苦労話とか夢とか語る感じになるのかなー。

 

 

デザイナーの末席を汚している僕が未来あるチルドレンにどんな話をできるのかということを日々考えて悩む毎日です。(それにしても"末席を汚すって謙遜にしても字面で見ると威力はんぱねえな...。")

とにかく僕が"伝えたいこと"をきちんと絞っていかないと、話のピントが合わない。せっかくなので身の上話をだらだら話すだけじゃなくて何か学生に伝えたい。(そもそもどこの馬の骨ともわからない僕の話を聞きたいと思っているのかという不安は常にある)じゃあさて、何を僕は伝えたいんだろう、というところが少し決まってきたのでご報告までに。

 

 

僕の会社では入社時に自分の名刺に載せるキャッチフレーズを考えなければいけないのだけれど、入社時に僕はこれに手こずりまくって8回社長に却下されたエピソードがあるのだけれど、このことは昔記事にもしましたね....。

 

andy0330.hatenablog.com

 

このエピソードもネタにして盛り込みつつ、最終的に僕の名刺に載ることになった僕のキャッチフレーズ

 

「新しい機会に着目して想像する」

 

というところについて学生に訴えたいなと思っている。

この言葉はもともとピータードラッガーの言葉なのだけれど、実際には手前にもう少し補足が入る。

 

「問題を解決するのではなく、新しい機会に着目して想像する。」

 

ただこれだとちと長いのと、「問題解決しないんかい」みたいな却下を食らう可能性が高かったので省きました。学生しかり、学生あがりの社会人しかりそうなのだけれど、日本の教育では(見直されつつあるにせよ)問題と答えがセットになっていて、テストにしても常に固定された答えが用意されている。

数学や英語はまだしも、国語などで「筆者の意図を答えよ」だとか「このときの主人公の気持ちを述べよ」みたいな問題に固定の解が用意されているのは絶対におかしいと思うし、狂ってるとすら思う。

筆者の意図は筆者にしかわからないし、主人公の気持ちならなおさらだ。そもそも文章というものの解釈は本来作者と読者との対話であり、その結論は読者に委ねられるべきなのに、そこに不完全な形で教育のレールを敷いたことで、つまり余計な第三者が「なーんだ」って口を挟んだことで国語って歪んだよね....ってそういうことを今回は言いたいんじゃなかった。

 

とにかく「問題があって答えがある」と思いがちな学生のアタマを少しほぐしたいというのが僕の意図です。実際社会に出たら答えなんてないし、模範解答も存在しない。過去問と同じ手はずでアクションしても「それもう古いよ」って言われたり「同じことしてどうするんだ!」って怒られたりする。全て自分で考えて自分を信じて答えのない問題に対してぶつかっていくしかない。

 

「問題を解決するのではなく」という言葉にはそういうメッセージが込められている。(僕がいまさっき込めましたのでドラッガーとか関係ない話をしています。)

 

 

じゃあどうすればいいのかというと、そのあとに続く

 

「新しい機会に着目して創造する」になるわけだ。

ここでトイレットペーパーの例を出す。

「画期的なトイレットペーパーをデザインしてくれ」「新しいトイレットペーパーを提案してくれ」と言われたらみなさんならどうするだろう。

紙に匂いをつける?紙に印刷をして四コマ漫画を連載させる?紙を引っ張った時に最新の曲が流れるようにする?

 

 

 

建築家の坂茂さんはこんなデザインをしました。

 

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四角いトイレットペーパー。

僕はこのデザインを初めて見た時に戦慄した。

全身鳥肌がたった。

 

このトイレットペーパーにか以下のような特徴がある。

 

・四角いので使用する時にカタカタという軽い抵抗が生まれるので無駄に紙をつかわずに済む

・この抵抗が紙を使いすぎないようにというメッセージになる

・丸ではなく四角い分トラックに多く積めるので運送費が浮く。

 

トイレットペーパーは芯さえ四角くしてしまえば紙を巻いてこの形になるのでコストもさほどかからない。画期的な発想だと思った。

 

トイレットペーパーを四角くする、というと誰にでも思いつきそうな気がするかもしれないけれどこういう形や有り様を根本から覆してしまような発想はなかなかできない。これが「問題を解決するのではなく新しい機会に着目して創造する」という言葉の体現である。

 

 

当然ぼくの話を聞いてくれる子達はデザイナーを目指しているわけではないのでこのトイレットペーパーの話をきいてもピンとこないかもしれないけれど、ひとまずは僕が目指すところ・また、物質が溢れかえってある程度豊かになった日本が新しい方向性を見つけて進むために若者に求められるファクターのひとつとしてこの要素をどうしても伝えたいと思った次第だ。

 

また詰めたらご報告しますね。

ご静聴ありがとうございました。

下記関連もよかったらどうぞ。

 

andy0330.hatenablog.com

 

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