耐久性のある文化に着目する
僕が「ダサいな」と思うセリフが2つある。
「人の名前を覚えるのが苦手なんだよね」と「AKBってどれも同じに見える」だ。
前者については、誰しも人の顔と名前を一致させるのは簡単なことではなく、簡単ではないけれども社会でうまくやっていくために頑張ってみんな覚えようとしている現代社会に置いて、
なんでお前だけさもそれが自分の際立った個性のような顔してやがんでい、
と言ってやりたくなるのだ。
後者についてもほぼ同様で、
AKBは同じ基準で同じような世代の女の子に同じ流行の衣装と化粧をしているので似ているのは当たり前で、
だからどれも同じに見えるのも当たり前だし、
別個で識別できなくたって仕方がないんだけど、
さっきから言っているようにそれをあたかも自分が「俺そんなの興味ないもんね」みたいな顔して言ってるのがダサいと思うのだ。
個性ぶっているところが没個性と言えるのか。
僕はしばらくアイドルやアニメ・萌え文化に抵抗があった。
オタクっぽくてダサいし、
絶対そんなのにハマったらモテないから近寄らないようにしようと努めていた。
おかげで僕はマクロスもプリキュアもアイマスもアイカツも見たことがなかったし、数年前まで涼宮ハルヒの憂鬱も観たことがなかった。
でもモテなかった。本末転倒。
ところで日本の2015年アニメ産業のコンテンツ市場規模は1兆8000億円だ。
だからと言うわけではなく当然この数字は後付けなわけだけれども、アニメだろうがスプラトゥーンだろうが、人気があって一定の層が夢中になっている文化には飛び込んでみるのがよかろうと考えるようになった。
特にアニメとか萌えとかいうジャンルは、既に日本の秋葉原のオタクがブヒブヒ言っているようなものではなく、ドイツで「ドコミ」なんてものが開催されるくらい、忍者、侍並みの知名度をもつ文化として鎮座している。
富士山がある県を知らないと恥だろうか。
相撲の起源が言えないと日本人ではないだろうか。
それでは、AKBの名前の一人や二人言えないともはや日本人とは言えないのではないだろうか?!?
(わかるよ指原だろって思った人、指原はHKTだし、
僕自身あまりにアイドルに疎いのでこれから勉強しないと、と焦っている。
わからないからって、恥ずかしいからって「どれも同じでしょ」「オタクキモい」って敬遠してるのはできないからって鉄棒に寄り付かないベソかき小学生と同じじゃないか。
ルスなんて意味わかんないバカみたいって
斜に構えているノルウェイ人は知的だろうか。
トマティーは不経済だし農家に申し訳ない。即刻やめるべきだ。
と抗議するスペイン人は愛国者か。
ホーリーなんて古すぎるし現代に合わないと
背を向けるインド人は尊敬されるか。
もちろんいろんな考え方があるだろう。
国際化とナショナリズムが二重構造的に進行うる現代社会に置いて画一的に何かを断言することが今ほど難しい時代はそうあるまい。
ただ、文化に着目しなくては。
今生き残っている耐久性のある文化に着目すべきだ。
いい加減アニメやアイドルといったオタク文化を認めなければならない。
なぜならもう侍も忍者もいないからだ。
芸者はいても市場は動かしてはいないのだ。
メモ程度なのでちょっと雑だけど。
おしまい