村上春樹が走る理由
村上春樹は誰でも知ってる世界的に有名な小説家だけど、優秀なマラソンランナーでもあるという話は知っている人と知らない人がいる。
しかも、「小説を書いていると運動不足になるから」といってランニングするような甘っちょろさではなく、トライアスロンも走るしウルトラマラソン(100km)も走ったことがあると言うから驚きだ。
その時の様子は「走ることについて語るときに僕の語ること」と言うエッセイで垣間見ることができる。
走ることと文章を書くことは似ている。と思う。わりと強く思う。
他に似ていることといえば、泳ぐことや自転車に乗ることも似ているし、山に登ることや写真を撮ることも似ていると思う。
それは極めて自己完結的で個人的な作業だ。
基本的に孤独で、誰かに非難されることも賞賛されることもない。
ただ、自分のためだけに黙々と続ける。
そういう作業が僕は好きだ。
僕もランニングが好きで、今年の2月にハーフマラソンに出場したけれど、走り続けているうちに他のことが気にならなくなっていって、ただ走るという行為に没入していく自分にある時点で気がつく。
その時は神経が研ぎ澄まされていて、心臓の音と呼吸のリズムだけが聞こえてくる。
そういう時に僕は一番「生きてる」感じがする。
ある意味それは哲学的で思索的な作業で、僕にとっては一番有意義で贅沢な時間の使い方だと思っている。
あ、村上春樹が走る理由は知らない。
おしまい