AIやロボットに仕事を奪われる不安
たった1つのニュースが僕たちのトラウマになっている
最近2つのエントリーを執筆した。
いずれも、今の20代が抱える不安について提起したつもりだ。
上記2つの中で僕が一番言いたかったのは、
今の20代からしたこれからの時代に対して
"人生の土台である社会環境があまりにも急速に変化しているので、不安定な土台の上に長期的なライフプランを計画することが非常に難しい時代になっている。"
というものだ。
「先が不透明で、今のまま定年までやっていけるような時代じゃない気がする。」
僕たちはなぜこう考えているのだろう?
実は僕たちは過去のたった1つのニュースをトラウマ並によく覚えていて
それが漠然とした不安として結びついているのではないかと僕は考えている。
そのニュースがこれだ
AIとロボットに仕事を奪われる時代
聞いたことのある人も多いんじゃないかと思うのだけれど、
オックスフォード大学はこの先10年〜20年で、
今ある職業の47%が消失すると発表した。
かつての第二次産業革命によって工場から大量の失業者が出たように、
全く同じことが繰り返されるのではないか。
"それ"が始まった時に僕たちはどうすればいいのか。
ある日いつものようにオフィスに出社すると、自分の席にペッパー君が居る。
そしてあなたの上司がこういうのだ。「もう君は今日から来なくていいよ」
これは冗談でもなんでもない。十分に起こりうる未来だ。
ただ一方で、こういった「テクノロジーが雇用を奪う」話ではマイナス面ばかりが取り上げられるが、深刻に捉えすぎて落ち込んでしまうのは間違っている。
(雇用について)オクスフォード大学が発表した「20年以内に今ある仕事の47%が消失する」という話はあまりにも有名だが、これを重く捉えすぎるのも考えものだと僕は考えている。
— ゆういち (@yuichi_gg) 2018年2月14日
そもそも職業の消失なんてことはテクノロジーの発展に日常的に起きていた。
全然普通のことだし、驚くべきことではない。
職業というのは常に生まれて消えてを繰り返しているものに過ぎないのだ。
ボーリング場が自動化する前、ボーリングのピンをセットする仕事 pic.twitter.com/maQWHl1bka
— ゆういち (@yuichi_gg) 2018年2月14日
電話交換手 pic.twitter.com/wnWmcp7vqk
— ゆういち (@yuichi_gg) 2018年2月14日
単純労働の職場でストレス解消を目的として娯楽作品を読み聞かせる仕事 pic.twitter.com/uiZTz06Ker
— ゆういち (@yuichi_gg) 2018年2月14日
この人はどんな職業だろう。
— ゆういち (@yuichi_gg) 2018年2月14日
なんと目覚まし時計がない時代に「豆を吹矢のように飛ばして窓に当てて人を起こす仕事」である。 pic.twitter.com/oi19vBmOz0
つまり、ムーアの法則によって加速度的に職業が消失することには確かに着目するべきだが、テクノロジーの発展によって職業が消失するなんてことはこれまでずっと当たり前のように繰り返されてきたことだ。何も特別なことじゃない。
— ゆういち (@yuichi_gg) 2018年2月14日
今見ると冗談のような仕事もあるけれど、今存在する仕事にしたって「昔は病気の診断も医者っていう職業がやってたんだよ」「昔は人が車を運転してたんだよ。危ないよね。」と言われる時代が必ずやってくる。
雇用は消失し、そして創造される
そして忘れてはいけないのは職業が消失するのと同時に新しい雇用が創出されるということだ。目覚まし時計の発明は人を起こす仕事を奪ったが、時計修理や時計デザイナーといった雇用を新たに創出した。
— ゆういち (@yuichi_gg) 2018年2月14日
職業が消失することばかりがクローズアップされるが、
新しい仕事が生まれることも忘れてはいけない。
残念ながら新たに生まれる仕事がどんなものなかのかを予測するのは非常に難しい。1990年にタイムスリップして、その時代の人にスマホをどう説明するのか。「アプリを入れてTwitterやInstagramを楽しんだりググって調べものをしたりソシャゲで遊んだりする」と言っても何も通じないだろう。
— ゆういち (@yuichi_gg) 2018年2月14日
つまり、常に新しいテクノロジーは新しい言語で語られるので(新しいテクノロジーは新しい言語で創出されるという逆説でもある)、それを今正確に予測して対策することは不可能に近い。
— ゆういち (@yuichi_gg) 2018年2月14日
予測できる未来の中で「自動運転」があるが、これは既に現在に迫りつつあるものだ。、では自動運転の次に何が来るのかというのは誰にも予測できない。
— ゆういち (@yuichi_gg) 2018年2月14日
いま僕たちに出来ること
僕たちはこれからより多くの変化に晒され、かつてない不確実性に直面することになる。今から未来に対してヤマを張って「じゃあドローン関係の仕事に就く!」「ペッパー君のエンジニアになる!」と飛びつくのは得策ではない。
僕たちはまるで試合中にルールが刻一刻と変わっていくゲームに参加しているようなものだ。これだけ流動的な社会の中で僕たちはおそらく若い時に得た知識のみで引退まで働き切ることは出来ない。
環境が変わっていく中で新しい知識を取り入れたり学び直したり、違うジャンルに思い切って舵を切ったりする必要が出てくる可能性が高い。
将来的にそういうことが出来るための「体力づくり」が必要になってくると僕は考えている。もちろんその「体力」は人それぞれなのでここで断言はしないけれど、誰にでも当てはまるであろうことは以下の通りだ。
- 貯蓄
- 外部の人間関係を形成する
- 健康を保つ
- 活力を保つ
- 自分のことを知る
こんなところだろうか。
ジャングルのサルが木から木へと飛び移っていくように
様々な分野・企業・職業・立場を渡り歩きながら知識とスキルを得て、学びながら成長しながら社会と環境に適したキャリアを形成するためにはそのための「体力」がなければならない。その「体力」とは上で挙げた通り貯蓄であり、人間関係であり、何より健康だと僕は考える。
前述の通り、未来を見通すことはこれまで以上に困難なので、具体的に何かを準備することは難しい。ただ、備えることは出来る。来るべき未来のために、きちんと動けるように柔軟体操をして筋肉をつけておくこと。
もちろん他にもやるべきことはたくさんあるだろうが、誰しもやるべきことのベースとしてこれらのことは最低限必要だと考えている。
リストの最後にある「自分のことを知る」についてはまた今度掘り下げて行けたらと思う。
つづく