鬼の居ぬ間に電卓
鬼の居ぬ間に電卓。*1
ふたを開ければ猿。ミドルエイジのかかと落とし。*3
二日酔いの冷蔵庫がケーキを腐らせて仲直り。*4
替え玉三尺を探せばトランペットの風が吹く。*5
昨日シネマで観たカツラを探せば国語辞典みたいに曲がり角曲がる。*6
聖書参照、マフラー必須、分電盤が溝に落ちて導く間に、アキレス腱はドリンクバーで一休み。源泉徴収は風月。盆栽がレベル3。*7
床を殴ればいつも電車。大きな赤子。
悲鳴が散らばる交差点にたたずむ孤独はゆっくりと雨を飲み込んで謝るつもり。貯金崩して不倫。*8
下駄河童キツツキ狙って、まず上から一張羅、真ん中が参考書、飛んで最後がほとんど機械でできたペンギン。そしてそのひ孫も。
舌噛んでまた明日。早口言葉は昨日の嘘。5月6日にけん玉。鉛色のペン立て。イワシが最適化。上水置換法で賄賂がリゾット。波の網目にキリン。普通の論理で片翼なら合格。パラソルと芋焼酎。腕時計にするなら太平洋ベルト。たまにならヤマボウシ。*9
*1:電卓だなんておかしいと笑うだろうか。では鬼の居ぬ間に洗濯をすれば正解なのか。鬼の居ぬ間にできることはもっと他にもあるのではないか。だいたい、鬼が居ない絶好の機会に洗濯とはどういう神経なのだろう。完全にそこでくつろぐ気満々ではないか。
*2:トイレに行って友達が勝手にパズルを進めていると責任のようなものが剥がれ落ちて拗ねてしまいたくなるような気持ち。
*3:中年を一番かっこよく表現した言葉。
*4:ミスチルはケーキを捨てるのに胸が痛んで結局腐れせて捨てる。
*5:トランペットはなぜ土手が似合うのか。トロンボーンやサックスではいけないのか。トランペットだけが象徴的に土手とセットされている。誰が仕組んだのだろう。
*6:国語辞典を読むことと語彙を増やすことはあまり関係がない。
*7:いわゆるアキレス腱と呼ばれる体操ではアキレス腱は伸びないそしてアキレス腱が本当に伸びてしまうと元に戻らないのでアキレス腱を伸ばしてはいけない。
*8:不倫はもう少し深刻な感じの言葉にすればもっと減るだろうと思う。ボスニアヘルツェゴビナみたいな。
*9:こんかいの記事は鬼の居ぬ間に電卓、という冒頭のちょっとしたずれから派生して、シャツのボタンを掛け違えていくみたいにちょっとずつ意味と言葉が崩壊していく様を実験した。けっこう楽しかった。