沢山の本を読むにはどうしたらいいか
信じられない量の本を読むインテリたち
佐藤優は池上彰との共同作「最強の読み方」の中で月に300冊、多いときは500冊の本を読むと豪語していて池上彰を驚かせた。こういった読書をしながら月に90本の締め切りを守っているのだから人間業ではない。
僕らが毎日やっている最強の読み方;新聞・雑誌・ネット・書籍から「知識と教養」を身につける70の極意
- 作者: 池上彰,佐藤優
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2016/12/16
- メディア: 単行本
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詳しく調べてみると「当然全ての本を最初から最後まで読んでいるわけではない」と説明している。そりゃそうだよな、と僕は胸をなで下ろす。
と同時に「じゃあ読んだとは言えないのではないか」と思い、なんだか居心地の悪い気持ちになる。「あの映画観たよ」と言いながらクライマックスだけ観た奴みたいじゃん、と僕は思った。
あれ、じゃあ「読んだ」ってどういうことを言うんだっけ?
最初から最後まで全ての文字を読んだら"読んだ"ことになるのだろうか?
実際にはそうではない。
なぜなら学術書は映画ではないからだ。
学術書にはストーリーがないので、書いている内容をきちんと把握できれば別に一部始終を読む必要はない。逆に、大きな理由もなく最初から最後まで学術書を読むという行為こそが、目的からそれているという言い方も出来るかもしれない。
このあたりについては以前このブログでも述べた通りだ。
本を読む時間は贅沢だ。一歩間違えればただの「時間の無駄」になってしまう
以前、本に大量に書き込みをしながら積極的に読書をすることで内容をきちんと会得しようという記事を書いたけれど、この考え方には一つ落とし穴がある。
— ゆういち (@yuichi_gg) 2018年2月26日
積極的読書にはあまりにも時間がかかりすぎる。その本が本人にとって有益なものでなかったり、あるいは内容が適切でなかった場合多くの時間を無駄にすることになる。
— ゆういち (@yuichi_gg) 2018年2月26日
学術書は小説と違い、「夢中に読ませる」ようにできていないので、より主体的かつ積極的に本と向き合う必要がある。そのために僕はペンを構えて本に直接自分の考えを書き込みながら読書をするスタイルを推奨した。
ただ、このやり方は沢山の時間を要するため、僕としてはその前に、「読むに値するかどうか」を精査する方法について書くべきだった、と反省している。
積極的読書は「これこそは」という、内容が保証された本にのみ実践されるべきだ。
— ゆういち (@yuichi_gg) 2018年2月26日
「はずれ」本を購入する行為は時間と金を両方無駄にすることに等しい。これは人生にとってとても手痛い。
— ゆういち (@yuichi_gg) 2018年2月26日
本は無数にあり、人生は有限である。ゆえに僕たちはもっと細心の注意を払って「本選び」「読書」に向き合うべきである。
— ゆういち (@yuichi_gg) 2018年2月26日
2つの方法を僕は持っているが、今回はうち1つを紹介したい。
前者はお金がかからないが手間がかかる方法で、後者はお金がかかるが手間がかからない方法だ。気に入った方を実践してほしい。ではまずお金がかからない方から。
本屋で立ち読みをする
こういうことをブログで堂々と推奨するのもどうかと思うが、普段から学術書を本屋で買う人は是非本屋で立ち読みしてほしいと思う。
慣れてくると10分で1冊の本を読めるようになる。
そして読み終わったあとで「それでも繰り返し読みたい」という本だけを購入すればいいのだ。大抵の本は読む価値がないか、あるいは一度読めば十分な本なので、こういった方法で事前に本を嗅ぎ分ける能力は重要になってくると思う。
僕の場合のやりかた。
まず本屋で本を手にとって、表紙と裏表紙の内容をきっちり読む。帯があれば帯も読む。それから著者のプロフィールを読む。
出来ればそれからAmazonなどのレビュー欄を見て読者の感想を読む。
読者の感想を見るのは「評価が高いかどうか」を精査する目的もあるが、それだけでなく、評価欄には内容をかいつまんで説明してくれているものが多い。「表紙に惹かれて購入したが思っていたより専門的で難しかった」と言うような具体的な感想が多く、読まない手はない。
ここまでを行なって、それでも「読みたい」と感じれば立ち読みに移ろう。
僕の場合は本を読むときにタイマーをセットして
その制限時間内で読み終わることを意識する。本のボリュームと、その時の時間の余裕にも寄るけれど、ざっと読むなら10分、時間をかけるなら30分あればいいだろうと思う。
まず本の「はじめに」を読み、「終わりに」を読み、目次を読む。
目次はすごい。読むべきことの重要なポイントがすべて載っていると言っても過言ではない。 目次は旅行中の地図のようなものだ。行きたいところだけ覚えておいて、そこだけ読めば目的は達成できる。
それからようやく本編を読む。
話の筋とは関係なさそうなところは積極的に飛ばし、
逆に文中の「つまり」「要は」「重要なのは」といった特定のワードを拾ってそのあとの文章をきっちり抑えて読むこと。最初はなかなか難しくスピードが上がらないけれど回数をこなすことでまるで文字が浮かび上がってくるように文章を速読できるようになる。
時折タイマーをみて残り時間を確認するように心がける。
残り時間があるという体験が普通の読書だとあり得ない状況だが、それが逆に集中的な読書を手助けすることになる。
こういった形で僕はいつも立ち読みをするようにしている。
これは本屋以外でも古本屋でも活用できる技術だ。
やってみればわかると思うけれどこれはすごく集中する作業になるので一冊分を終えるとむちゃくちゃ疲れている自分がいることに気づくだろう。僕は1日に2冊はやりたくない。少し汗をかくこともあるくらいだ。
もちろんこれは速読のやり方なので、本を読み終わって「これはじっくり読むべきだ」と判断すればそれは購入して、ペンを活用した方法できっちりと精読するべきだと僕は考えている。
次回以降、2つめのやり方を紹介したい。
こちらはこんな風にせかせかしない方法になる。
続く