鈴木ユートピア

31歳、写真、キャンプ、バイク、旅

デザイナーから就活生に送る「就活の姿勢」

 

ランニングをしながら、明後日の合同説明会で何を話すか考えていた。自分の会社に興味を持ってもらえるように就活生に働きかけるのはもちろんなんだけど、それより少し大きな視点で就職活動に勇気を持てるような話ができないか考えていた。

 

会社のデザイナーとして合説で話すことになった。そこで話す予定のことをここに整理ついでに残しておくので良かったら読んでほしい。ちなみにこの文章は今日の帰りの電車でチラシの裏に殴り書きしたものの清書だ。

 

六本木に2121デザインサイトという展示会場があって、主に体験型の展示をよくやっている。昔すごく面白かったのは「ピタゴラスイッチ」を企画した佐藤雅彦さん監督の展示会「これも自分と認めざるを得ない展」という展示会で、身長や体重などの情報以外で自分の属性を測定して、自分の新しいタグを発見していくというユニークなコンセプトのもの。目の虹彩を2進数で表現したり(うろおぼえ)体のアウトラインの全長を測ったりするブースが心に残っている。

さて、とにかくその展示会では現在「アスリート展」という展示会が開催されている。元オリンピックアスリートの為末大による企画で、様々な映像や表現・体験型ブースを通じてアスリートの視点を学ぶというものだった。その中で印象的だったのが「自分の体重が足の裏のどこにかかっているか」を測定するブースだった。そのブースでは体重計のような乗り物とモニターが用意されていて、それにまっすぐ立って乗ることで自分の荷重とアスリートの荷重を見比べることが出来る、というわけだ。体重が前の方にかかっている人はアスリート体質だ。僕も明日ハーフマラソンを控える小さなアスリートなのでちゃんと親指の付け根あたりに荷重がかかっていた。これが運動不足だったり年寄りだったりするとかかとの方に荷重がかかるそうだ。

 

仕事においても、前に荷重がかかっている人は期待されるだろうなとふとその時思った。仕事中に「もっとこうしてみたらどうだろう」「これってどうなってるんだろう。知りたいな。先輩にきいてみよう」と貪欲に次々に挑戦し、新しいことを積極的に学ぶ人。当たり前だけど、そういう人材を今も昔も企業は求めている。逆に、給料さえ貰えればいい、出来ればなるべく楽で、責任が発生するような役職にキャリアアップするくらいならずっと平社員でいいです、というような受け身姿勢の社会人・学生はかかとに荷重がかかっている。そういう人は組織の足を引っ張ったり、会社の利益を損なったりしてしまう。これも今昔問わず言えることだろう。

合同説明会に会社のスタッフとして参加するのは3回目だけれど、たまにされる質問で「英語はできたほうがいいですか」とか「デザイナー用のソフトは使えないとだめですか」ということを聞かれる。つまらない質問だといつも思う。英語はそりゃ出来たら出来る方がいいに決まっているし、同じレベルでデザイナーソフトを使える人と使えない人がいたら使える人が勝つに決まっている。それが就活というものだ。これは当たり前のことだ。

ただ、そういった中で「自分はデザイナーソフトを一度も触ったことがないけれど、今から頑張って覚えるので普段使っているソフトを教えてください」という質問があればすごく目を引く。「これは」と思う。そういう姿勢が前のめりで評価できる。御社に入りたい、だからそのためにはどうしたらいいですか。そんなことをまっすぐ聞いてくれる学生が現れたら、それに勝る人材はないだろう。

 

 

 

おしまい