鈴木ユートピア

31歳、写真、キャンプ、バイク、旅

美術予備校仲間の新年会にようやく参加できたはなし

 

 

美術予備校の同窓会?新年会?に勇気を出して参加してきた話をするわ。

 

 

 

ただその前に美術予備校ってなんやねん、ってところから説明するね。

 

 

僕は高校生のときに「デザイナーになりたい!」と思って、デザイナーになりたい人は美術大学に行くことが多いんだよね。それで僕も美大に入ることにしたんだけど、美大の入試って学科だけじゃなくてデッサンとか絵具とかの実技試験もあるの。

デッサンっていうと、手のデッサンとか石膏像のデッサンとか、ああいうやつ。

 

それで、その試験をパスするためには当然デッサンと絵具の練習を死ぬほどやらないといけないわけで、そのために美術予備校ってところに通うんだよね。

僕がデザイナーになるまでの経緯についてはこちらで詳しく書いているよ!

 

 

andy0330.hatenablog.com

 

 

それで、まあ美術予備校に入ったんだけど、そこに通う人たちはみんな美大を目指しているわけさ。目指しているんだけど、入りたい美大や学科は人それぞれで、広告やりたい奴もいれば文房具のデザインをやりたい奴もいれば服をつくりたい奴もいればCMをつくりたい奴もいる。彼は目標はどうあれまずは美術予備校に行ってデッサンが出来なければどうにもならない。

そういうわけだ。

 

 

美術予備校の日々は楽しかったんだけど、実は負い目がある。

 

僕にとっては割と美術予備校は黒歴史なところがあって、フィルムカメラをいつも首から下げていたり、「岡本太郎はいつも困難な道を選べと言っていた」と言いながら初心者なのに難しいコースのデッサンをやって全然かけなかったり、髪にべちゃべちゃにワックスをつけて登校したり、イベントでへたくそな弾き語りを突然始めたり....こうして思い出しながら書くだけで頭が痛くなってくる。

 

また、僕は第一志望の大学には行けず、第二志望の大学に行ったというのも負い目の一つだ。高校時代僕はビックマウスで「おれは絶対あの大学に入ってカーデザイナーになるんだ」とあちこちに触れ回っていたこともあり、それから「大きな口叩いていた割には普通に第二志望に入ったやつ」という烙印を自分自身に押していたところがある。

 

 

 

 

美大に入って美術予備校が終わっても、美術予備校時代のメンツの交流はけっこうあったようだ。ことあるごとに集まってお花見をしたり、飲み会をやったり、旅行に行ったりもしたらしい。

 

僕は全然参加しなかった。

そもそも美術予備校でもあまり目立った結果を出していなかったし、マイナーな存在だと思っていたので、無理して参加するよりいないほうがいいのでは.....みたいなことをずっと考えていた。

 

 

とはいえ、美術予備校の仲間と完全に縁を切っていたかといえばそうではなく、

個人での付き合いは結構続いていた。たまにお酒を飲んだり、遊びに行ったり、相手の展示に顔を出したりっていうのはよくやっていて、まあ要は個人では会えるけど集団で会うと黒歴史がぶり返してしんどいとか...そんな具合だ。

 

 

今年に入って、また美術予備校時代の友人(以降めがしと呼称する)とお茶をしたときに「こんど美術予備校のみんなで新年会やるからおいでよ」と誘ってもらった。

 

 

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「いやでもおれのことなんか覚えてないでしょ」みたいなことをぐじゅぐじゅ言っていたらめがしは「でも○○も○○も会いたいって言ってたよ~そんなの気にしてるのあんただけだから来なよ」と誘ってもらって「よしじゃあ行ってみるか!」と勇気を振り絞った次第。

 

 

それで今日新年会があったんだけど。

集合場所のお店まで歩く道中すごい緊張してて。

 

マジもう場違いになるの無理だし、だいたい何を話せばいいんだよ..いますぐ溶けてなくなりたい....。なんて考えているうちにお店についてしまった。

 

 

 

でもお店に着いてみんなの顔をみたらそんなものは吹っ飛んでしまった。

黒歴史だの、なんだの、色々悩んでいたことが馬鹿馬鹿しく感じるほどに、とにかく「なつかしい」

 

 

懐かしいってこんなに刺激的な感情なのだと驚いた。

なつかしすぎて、他のぐじゅぐじゅしたものを考える余裕がない。自然と笑顔になって、「あのときああだったよな!」みたいな昔話に花が咲き、今こういうことしてるんだーみたいな人の話もすごく楽しく、あっという間に時間が過ぎた。

 

これはいわゆる「みんなあなたが気にしているほどあなたに興味はないし、

みんなあなたが思っているよりあなたことを見ている。」というやつだな。

 

 

 

 

 

つまり僕は「過去の黒歴史、マイナーな自分」というものを長い時間をかけて膨張させ、「みんなと普通に笑っていた自分」を収縮させて握りつぶしてしまっていたのだ。前者を小さくして、後者を大きくすればほら、等身大の自分だ。

 

「ああ、おれってこのくらいなんだ。」と気づいて、そうしたらすごく自然と、あの時本来の「美術予備校のときの自分」を見つけることが出来た。

 

 

 

 

自分から見た自分と人からみた自分の差が激しいと何かと不便だ。

 

それを調節して、うまいこと合わせていくこと、「そうだよね、こんな具合だよね。」とチューニングを定期的に施していくことって人間関係において大切で、それが「人間関係のメンテナンス」であり、新年会だの花見だの、そういう風に機会をつくってまでみんなで会う意義なんだなっていうのを今回発見した。

 

 

 

ずいぶんごちゃごちゃ書いたが、要約すれば

美術予備校の集まりとか、もっと行けばよかったし、行っていいんだってようやく思うことが出来た。背中を押してくれてありがとう。僕は僕です。

これからもよろしくお願いします。また、お会いしましょう。

 

 

 

おしまい