会社帰りに市民プールへ
定時退社。
こちとら休日返上してしこしこ働いてんだ。たまには定時で帰るぞ。
鞄の中にはプール道具一式。
帰りのエレベーターで一緒だった会社の人に「今日これからプール行くんです」と言った。言いながら思った。すげえ小学生みたいなセリフだなこれ...。
僕は泳ぐのがあまり上手ではない。
どのくらい上手じゃないかというと、クロールで50m泳ぐと全体力を使い果たしてその日の水泳が終了するくらい上手じゃない。上手じゃないっていうか体力ないだけだなこれ。でもハーフマラソンで21km走っていたときもだいたいそんな感じだった。だからまあ、上手じゃないんだと思う。
水泳はなんと3歳から11歳まで続けていたので、相当すいすい泳げる人間になっていても不思議ではないんだが、浮かないんだよ。とにかく。
水中で体が浮きません。
やせすぎてるんです。昔から。
小学校のときからチビで、しかもずっと教室で絵を書いたり本を読んだりしてたもんだから筋肉なんてつくはずもなく。、ようやく高校で真剣に部活に打ち込んだかと思えば陸上部長距離だからね。やせる体質みたいなのが完全に体に備わってしまっている。
陸上部のときの僕の体脂肪率は5%だった。浮かないわけだ。
浮かないから余計に筋肉を使う。そして筋肉はほとんどないのでどんどん血中の酸素が欠乏して息が切れる。それで僕は50m泳ぐとくたばってしまうわけだ。
だから、基本的には平泳ぎ。
でも泳ぐのは好きだよ。
全身まんべんなく疲れるのってすげえ気持ちいいじゃん。
ゆったり眠くなる感じというか。一番好きなのはプール上がりに調整豆乳のコーヒー味を飲むことね。それを楽しみに泳いでいるといっても過言ではないのだ。えへん。
会社を出て、近くの駐輪場に停めている自転車に乗って3駅先のプールへと急ぐ。もう11月だから18時過ぎでも外は完全に夜だ。市民プールに入って410円のチケットを購入して更衣室へ。服をいそいそと脱ぐ。冬はコートだのマフラーだの色々身に着けているから着替えるのが面倒だが、夏はひとが多すぎるんだよな。
もう混雑も混雑。おまけに小学生向けにスイミング教室なんて始めるもんだから使えるスペースがどんどん狭くなって、サマーランドかよっていうようなイモ洗い状態になってしまうんだ。
だから冬はいい。
冬の温水プールなんて実はけっこう至福なんだけど、会社の人を誘っても泳ぐときは結局一人だから(笑) 特に誰を誘うでもなくたまにこうしてプールに赴く。
着替え終わってシャワーを浴びる。泳ぎながらどんな考え事しようかなーって考える。いつも考えるんだけど無駄なんだよね。泳ぎながら考え事するほど暇じゃないっつーの。そんな余裕どこにあるっていうんだ。こっちは浮くので精一杯だというのに。
それでもどんな考え事をするか考えてしまう。
前に作家の村上春樹(作家の、なんてつけることないか)が「走るときはいつもどんなことを考えていますか?」と質問されたことがあったけれど、走ったりでも泳いだりでも、考えているわけがないんだ。そのときはその競技に夢中だ。当り前じゃないか。
プールサイドに入って帽子をかぶり、ゴーグルをつける。
ほどほどに準備体操をして水の中に身体を入れる。ざぶん。
おお水の感じ。すごい久しぶり。風呂とは全然違うんだよな。水ってやっぱりお湯とはちがう感触だ。温水のほどよい温さがありがたい。
それから平泳ぎを始める。すいすい。
手をかくときは指を広げるイメージ。手をかいて、足をかいてびゅーんの時に体が一直線になるように心がける。全然すすまなーい。
2往復して100m泳いだことになる。もう、普通に息が乱れている。
まあ、プールくるの3か月ぶりだし!
ちょっと頑張ってもう50m泳いでからプールサイドにあがって休憩。
3分休憩してからまたプールに入ると今度は水が冷たくてぶるっとする。
さっきの150mで体がの筋肉が消耗して体温があがっているのだ。
うん、いいことだな。両手で肩を触ってみるとすごい熱を持っているのがわかる。おおー筋肉、がんばっているか。
それからまた150m泳いで休憩、最後に200m泳いで今日のプールはおしまい。
今日は合計500m泳いだことになる。これが多いのか少ないのか僕にはわからないが、平日の夜に会社帰りにプールにくるなんてよっぽどのもの好きなので、今日の平均で言ったら全然低いほうなんじゃないかって思う。
まあ、久しぶりに来たんだったら僕は500mが限界かな...。
去年、トライアスロンに出場した夏は毎週会社帰りに1km泳いでいた。
ぜーぜー言いながら。いいな。あのくらい回復出来たら楽しいだろうと思う。
今でも十分楽しいけど。
帰りはまた自転車に乗って家路へ。会社でもプールでもどこへ行くんでも自転車圏内ってほんと贅沢だと思う。帰りは体が運動であったまっていたので全然寒くなかった。
うそ。指はかじかんだわ。
おしまい