鈴木ユートピア

31歳、写真、キャンプ、バイク、旅

21_21 DESIGN SIGHT「ルール?展」に行ってきた!

 

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21_21 DESIGN SIGHT「ルール?展」に行ってきた。

 

個人的に企画展の中でもこういう「既存の価値観を疑う」とか「世界観を解体して再構築する」類のものが大好物だったのでこの展覧会は本当に楽しみにしていたのだ。

*ある程度のネタバレを含むのでご注意ください

 

 

 

 

 

 

 

 

本展は、日常のさまざまな場面で遭遇するルールの存在と影響を取り上げ、デザインによってどのようにかたちづくることができるのか、多角的な視点から探ります。展覧会という小さな社会のあり方に揺さぶりをかける鑑賞のルールや新たな創造のきっかけになる規制や制約の可視化、市民が社会課題の解決に取り組むシビックテックなどの仕組みづくりに着目します。来場者同士で意見を交換してルールをつくったり、投票したことが展示に反映されたり、会場内にあるものの配置を自由に動かしたりして本展に参加することで、社会を構成するルールづくりを体験することができます。私たち一人ひとりが未来をかたちづくる一員として、ルールとポジティブに向き合う力を養う展覧会です。 

21_21 DESIGN SIGHT | 企画展 「ルール?展」 | 開催概要

 

 

 

ルールについての展覧でありながら、この展覧会会場全体を一つの社会と捉えて、その中にルールがあったり、あるいは展覧会の中でもルールが増えたりするらしい。

どういうことなんだろう!

 

いざ入場料を払って中へ...

 

 

 

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第一関門がこちら。いやぁいいねぇ。始まってるよこれ!

展覧会のパンフレット表紙に余白があって、そこに好きなスタンプを2つ押すことができる。そして、展覧会の中ではそのルールに従うという。

スタンプは12種類あるけど、内容は取っ手がついているところでちょうど隠れて上手く見えない。一人で来たから恥ずかしいルールは嫌だなぁ笑

 

 

 

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僕はこの2つでした。

なんとかなるルールで良かった笑

これから行かれる方はどんなルールかお楽しみということで

見ないほうがいいかも。

 

 

ところで皆さんはルールって聞いてどういう印象を持ちますか...。

 

 

 

僕はわりと「ウヘェ、ルールかぁ」ってなっちゃうんだよね。

 

 

例えばシェアハウスに住むことになって、誰かが先陣切って「ルールを決めようか」って言った時に、「そうだね、ルールがあったほうが過ごしやすいもんね!」って言う人もいれば、「これからルールが伝えられるからきちんと聞いておかなくちゃ!」って身構える人もいるだろうし。僕はルールって聞くと、自分が縛られるような気分になったり、ルールから外れた時に何かしらのペナルティがあるんじゃないかしらとか思ったりして窮屈な気持ちになってしまう。

 

 

 

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そんな僕に展示会冒頭の文章は非常に刺さったんだよな。ルールはあなたを縛るためではなく、社会で自由に生きるためにあるのだと。

 

 

 

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展覧会に降りてすぐでは映像作品の列ができていた。

この辺りも情報量が多くて楽しかった。

 

映像作品の列に並ぶのは確かルールがあって、

・床の印に一人ずつ並ぶこと

・床の印以上は並ばないこと

・ルールに応じて列の順番が入れ替わったりする

・その際にはきちんとお互い譲り合うこと

 

列に並ぶこと自体が実験的なインスタレーションになってるんだけど、列に並んでる人が脊髄反射で列をなすのでそれこそ"ルールが守られておらず"実験が成立していなかったのが残念な反面極めて皮肉っぽくて面白かった。

 

 

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建築物としての21_21 DESIGN SIGHTの施工時のルールに関するキャプションがそこかしこにあって面白かった。階段がどういうルールで設計されているかとか、天井のルールや消防法のルール...考えてみれば建築ってルールでできてるんだよな。

 

 

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展覧会の様子。あんまりネタバレしちゃうと面白くないからほどほどに。

コロナ禍だからなのかけっこう場に余裕がある感じだった。でも展示数はけっこうあって満足いく感じ。

 

 

 

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展示の中で気に入ったのを2つだけご紹介。

1つは投票型の展示で、そのルールが必要だと思うかどうかを来場者に問うというもの。展示期間内で投票の主題が変わると言うもので、始まった当初は「ゲームをするのに約束は必要?」だった。

 

このテーブルでは実際に親と子のゲームに関する約束の書類が展示してあって、やっぱり家庭ごとにいろいろな形があるなと思った。内容はわりと似ていて、生活習慣を崩さずにきちんと起きてきちんと寝ること、良い成績を取ること。良い子でいること、それからゲームに関する時間制限など。

それが明示された書類が家庭ごとにお手紙の形だったり、会社のレジュメみたいにエクセルで作られてたり、あとはちゃんと子供の署名欄もある誓約書だったり(!!!)こういう本物を見ると(普段なかなか見る機会のないものなので)すごく刺激的で面白く感じた。

 

僕はゲームにルールは必要、で投票してみました。

 

 

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ごっこのルールという展示がシンプルだけど奥が深くて面白かった。大きなくくりでいう鬼ごっこというのはまず鬼ごっこは「鬼」「ごっこ」なので"鬼がいること"だけが前提条件で、それにルールを追加していくことで「ケイドロ」になったり「こおり鬼」になったり変化していくと。来場者も「こんな鬼ごっこあるんだ!」と面白がっていた。鬼ごっこというのはきっと現場で(遊び場で)子供達がルールを付け加えていって分岐していったもののはずなので、地域性もあるし同じルールだけど枝葉が違っていたりして興味深かった。

 

 

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他にも映像作品や参加型の展示もあってコロナに配慮して余白を確保しつつも非常に充実した展覧会だった。行って良かった。道路交通法や消防法などの厳格なルールから、聴覚障害者のルール、地域独特のルール、暗黙の了解的なルール、死者をどう扱うかといった未整備なルール領域など考える余地がたくさんあって、世の中には明確なルールだけでなくて様々な曖昧なルールがあるということがわかって勉強になった。

 

 

展覧会は2021年11/28まで。

 

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