「デザインは寿司を握るのに似ている」
「デザインは寿司を握るのに似ている」
何のこっちゃと思った。
要するに彼が言ったのは
「親父がシャリをいつまでもこねくりまわしたら食べる気もなくなってしまう。
パッとつくってポンと出す。すかさず客がそれを口に入れる。それがデザインのあるべき姿」だというのである。
なるほど!すごく良い例えだ!
でもまてよ?
○○は○○に似ている」という例えは、
実は何でも放り込めばそれっぽく聞こえるのではないか?
実際にこういう言葉はよく耳にするし。
そういうわけで実際に検証してみることにした。
名詞同士を適当に組み合わせてそれっぽい
「○○は○○に似ている」の文章をつくってみるのだ。
「仕事は一本の鉛筆に似ている。」
なんだか深い。
なるほどなと思う。よくわからないけどね。
「女はうなぎに似ている。」
恋愛系の文庫本小説のタイトルでありそう。
掴めそうで掴めない、最高の女みたいな感じだろうか。
「人生はケーキに似ている。」
ぱっと思いついた中ではこれが一番素敵な表現だと思った。
女性作家の大人向けの漫画に出てきそうな台詞だと思った。
吉本ばななは絶対にこんなこと言わないけれど、
森絵都なら言ってくれるかもしれない。
全然話はそれるけれど、桜庭一樹は女性で、乾くるみは男性なんだね。
作家が反対の性別を名乗るのって珍しいことではないけれど、どんな意図があるんだろうか?(柴田よしき・仁川高丸・有川浩tec)
話はもとに戻るけれど、「例え」の力は強力だ。
それこそこういう類いの例えは「パッと考えてポンと出す」のがいいのだろう。
そこまで説得力のない一個人の発言だったとしても、
過去の出来事や事件を引き合いに出して発言すると威力が全然違う。
人に信じてもらうのに必要なのは過去の記憶につきる。
相手の記憶の引き出しをあけて、同じ物を見つけてもらうのだ。
今日はみじかめでおしまい。