勉強を始めたいけど何を勉強したらいいのか分からない社会人への最適解
勉強をしたい、でも何を勉強したらいいのか分からない僕たち
学生ではなくなってから学習意欲が湧いてくるのはどうしてだろう。
それは反動だろうか。
あるいは、社会人になってから自分の不勉強を自覚するからだろうか?
焦りとか、あるいは純粋な探究心とか...きっかけは人それぞれだろうけど。
とにかく何かを学びたい。
でも何を勉強したらいいのか分からない。
言い換えれば、自分が何を勉強したいのかが分からない。
無難なところだと
社会人向けワークショップ?
読書会?
資格セミナー?
どれでもやってみたら良いと思う。
ただその前にちょっとだけ待ってほしい。
有名すぎてみんな知っているだろうけど、
社会人への最適解と呼べる最高のコンテンツを紹介させてほしい。
TED talks
TED talksという動画を、おそらくこれを読んでいる人は
知っているんじゃないかと僕は思っている。
あれでしょ、知的な外国人がステージの上で得意げに身振り手振りを交えてプレゼンテーションをしてるやつでしょ?
そうそう、それです。
TED(Technology Entertainment Design)は「広める価値のあるアイデア」を世界中から集めて、毎年バンクーバーで開催される国際会議です。
過去の登壇者にはグーグルの創始者ラリー・ペイジとセルゲイ・ブリン、ジェームズ・ワトソンらが名を連ねています。
ウェブ上で公開される講演の再生回数は数百万から数千万に上り、ボランティアの手で諸言語の字幕もつけられていきます。
最先端、極上のプレゼンをリアルタイムで5日間聞くためのチケットは最低でも150万円。それが毎年発売されると同時に売り切れるそうです。
会場ではスティーブン・スピルバーグやビル・ゲイツらがラフな格好をして談笑しています。
ー『AI vs.教科書が読めない子供たち』
この"最先端、極上の"150万円の値打ちがあるプレゼンテーションが
無料でいくらでも観れるというお話。
TED talks、とググってみて欲しい。
ちゃんと、公式で無料なんです。
一度目にした人はわかると思うけれど、PCやスマホからTEDを観ている感覚はEラーニングの光景と酷似している。子どもが塾に行かなくても授業の録画を見ることで自宅学習できるというアレだ。
TED talksは社会人の為のEラーニングである、と定義したい。
世界トップクラスの頭脳を持つインテリのお手軽授業を、
電車でも風呂でも布団でもどこでも受けられる。
こんなむちゃくちゃ贅沢な時代に生まれて、
これを使わない手はないじゃない!!
と僕は声を大にして言いたい。
TED talksはアプリから観るのがはかどるけど、アプリをインストールしなくても
ウェブサイトから直接動画を観ることもできる。
サイトのトップページに行って、最新の動画一覧をチェックしてみる。
ずらっと並ぶプレゼンのテーマを流し観るだけでも、
どれも面白そうすぎて目移りしてしまう。
「ロンドンの地下鉄路線図は何がすごいのか?」
「拡張現実が変える手術の未来」
「ドローンで血液を届け、命を救う方法」
「人間由来の水中騒音がいかに海の世界を脅かしているか」
気取った外国人がジェスチャーを使いながら得意げに喋るのが腹立たしいと言う人は日本人のプレゼンテーションを観てみてはどうだろう。
当然日本人も英語でプレゼンするわけだけれど、研究の舞台が日本だったり、プレゼンの最後にきちんとお辞儀をしていたりしてなんだか親しみが湧いてくる。というか応援したくなる(笑)
TED talksを勧めるもう一つの...真の理由
無数のハイクオリティ授業がTEDにはある。
そう言う話をこれまでしたつもりだ。
でも僕がTEDを勧める本当の理由は別にある。
先に挙げた通り、TEDには実に様々なテーマが存在する。
それらを興味のあるものから好きに観てみる。
すると、それらを観ていく中で特に面白いと感じるテーマがあるはずだ。
それは傾向として、心理学に関する研究かもしれないし、飛行機に関するレポートかもしれない。あるいは人類の進化に関することかもしれない。
「へぇ、自分ってこんなことに興味があったんだ...もっと知りたいかも」
という勉強の入り口...との遭遇...!
社会人になってからの勉強がとにかくクソ面白い
ここが僕がTEDをお勧めするポイントだ。
社会人の勉強って最高だ。
誰にも縛れず、文句もつけられず、好きなことを好きなだけ調べて学べばいい。
TEDのプレゼンをきっかけにして(足がかりにして)、ちょっと心理学の本でも買って読んでみようかな...とか。自分ってひょっとしたら飛行機が好きなのかもなー...今度の休日、空港に行ってみようかな...とか。
あるいはそこから、日本にはどのくらいの空港があるんだろうか、と気になったり(いくつあるか知っていますか?)、それを調べると「空港」と一口に言っても色々な種類があって、例えば供用空港と呼ばれる自衛隊や在日米軍のための施設も空港と呼ぶんだってこととか、色々なことが芋づる式にわかってくる。
そしてわかることで次の疑問が浮かんでくる。
民間用の空港でもサービスが良いのはどこの空港なんだろうとか、それはなぜなんだろうとか、空港サービスのニーズって何なんだろうとか、どんどん...知的好奇心の世界は広がっていく。これを、勉強と呼ぶ。
そう、これを勉強と呼ぼう。
芋づる式に次から次へと調べるべきこと(知りたくて気になること)が増えていって、調べるたびに知識が増えていくのがわかる感じ。快感だ。
この勉強をしている時の、脳の細胞の動きはきっと、
「疲れたー明日も会社かぁ」と思いながら冷蔵庫をあさり、酒を飲んでぼんやりとテレビを観たりネットサーフィンをしている時とは全く異なるだろう。
10年間前者をやり続けた人と、後者をやり続けた人を想像するとゾッとする。
どのくらいの違いが出るだろう。
あるいは、勉強することで僕たちはどこまで行けるのだろう-。
卑近な例だけでも、
ちょっとした飲みの席で空港の話題になった時に「日本で空港がない県って栃木と群馬と神奈川だけらしいですよ」と付け加えるだけでも話題はちょっと弾むかもしれない。頭の引き出しにある知識のストック。会話のスパイス。人はこれを知性と呼ぶ。
まぁ、人への披露はさておき、
多くの人は自分の勉強のテーマに出会うと今までより自分のことが好きになるんじゃないかと僕は考えている。
自分の好きなことがわかっていて、その好きなものに向かって自分の足で一歩一歩前に進む。それは今の流行とか周りのペースとは一切関係なく、自分の為に。自分のペースで。ねぇ、こんなに有意義で素晴らしい時間が他にあるだろうか?
スナフキンの言葉を拝借するならば
「大切なのは、自分のしたいことを自分で知っていることだよ」である。
この感覚は、ぼんやりとテレビを観たり、惰性でニュースサイトを転々としている時の感覚とはちょうど正反対の感覚なのではないだろうか?
そして、巷に溢れるニュースサイト、あるいは「仕事を5分で終わらせる方法」「人を操る心理学」みたいな短絡的な学術書(もどき)と違い、自分の力で調べる勉強は能動的な態度かつ目的的な姿勢を持っているので、
すぐにその知識が役立たなかったとしてもきちんと自分の中に蓄積されていく。それは子供のころ覚えたポケモンの名前のように、あなたの頭の引き出しに大切に保管されているのだ。
戦前から戦後すぐまで慶応大学の塾長を務めた小泉信三の言葉で言うならば「すぐに役に立つものは、すぐに役に立たなくなる」だ。
はい、言いたいことはこれでおしまい。
ちなみにまた今度の記事でも触れるけど前述の「日本人のTED」で画像を出したのは新井紀子氏で、最近話題の「AI vs.教科書の読めない子供たち」を書いた人です。
TEDはめちゃ面白かったのでお勧め。ぜひ調べて観てみてください。