鈴木ユートピア

31歳、写真、キャンプ、バイク、旅

長谷川博己の代わりはいない!「シン・ゴジラ」レビュー

トピック「シン・ゴジラ」について

 

※ネタバレ注意

 

 

 

 

 

 

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特撮に対する知識もなし、ゴジラにも深い思い入れなし、エヴァンゲリオンは確かアニメまでは見てた....記憶がある!くらいの層の人間も、シン・ゴジラの感想を書かなければならぬ。という謎の使命感が沸き立ち、健康診断後バリウムを腹に潜ませてパソコンを立ち上げた次第である。

 

ジブリ映画のときも良くあるんだけど監督がこうで、前の作品のこれが暗示してて、、みたいな情報が蔓延していると「なんか素人が見たんじゃ面白くないんじゃないかな。。」って不安になっちゃったりするじゃないですか。たまに僕みたいなのが「難しいことはわからないけど面白かった!」っていう必要があると思うんです。

 

まず、さっさと観に行ってヨカッタ!

公開は7月29日で、本当は8月1日の今日観に行く予定だったんですよ。平日だから昼間観に行けば絶対余裕もって観に行けるしね。でももう「シンゴジラ観に行った。。間違いなく映画史に残る作品だった」とか「蒲田に上陸してからの音楽が絶妙」とか「最後のしっぽのシーンの真意は」とか「無人在来線爆弾www」とかもうそこらじゅうネタバレしたくてうずうずしてる群衆が怖くて怖くて!

 

なるべくメディアに触れないまま7月31日に2Dで作品を観に行きました。ほんとうにさっさと観に行ってヨカッタ。「無人在来線爆弾」は本当に知る前に見れてよかった笑

 

素人でもわかるエヴァンゲリオンっぽさ

 

いい意味で。ドラマチックというか、アニメっぽい表現がぞくぞくする。特に僕が一番好きなのは(この話をするために今日記事を書いているといっても過言ではないのだけれど)前半、ゴジラの出現に対して陸上自衛隊を出動させるにあたり、どの法律が適応されるのかを会議している場面で、法律うんぬんの話をしている最中に原文が画面いっぱいに出てくるところ。あそこがかっこよくて(フォントもやけにエヴァっぽい)忘れられなかった。あとべただけど終盤ゴジラをやっつけるときに注入した液体を表す画面とか、会議中に「農林水産大臣欠席」(うろ覚え)の字幕とかね。ほかにもいろいろあるんだろうけどそのあたりのエヴァンゲリオンっぽさが素人の僕にもわかって面白かった。こういう味付けもあるのかと思った。

 

 

恋愛一切なし!人間ドラマなし!

 

こんな映画ここ最近見たことあるな…と思ったらパシフィックリムでしたね(笑)

KAIJU映画ってやっぱり恋愛ご法度みたいなアレがあるのかしら。確かにあったら僕も大いにしらけると思うけど。どこかのブログでもあったけど監督に対してもっと恋愛要素を、とか人間ドラマを、とかいう要望があったらしいけど庵野さんの脚本をそのまま通すためにはねつけたとか....おかげで余計なところに気を回さずに「日本対ゴジラ」の対決を見ることができた。

 

 

國村準と柄本明

 

僕の大好きなオッサン俳優が出てきて本当にうれしかった。この二人は本当に出てくるだけで映画がぐっと締まるので今回も安心してみることができた。ちなみにほかに出てきて安心する俳優さんはリリーフランキ―さんとミッキーカーチスさんと樹木希林さんあたりです。いえ別に「海よりもまだ深く」の話をしているわけではなく。

これもちょーっとうろ覚えだけど、自衛隊長を演じる國村準の

「礼には及びません 仕事ですから」

がかっこよすぎて叫びだしそうになったよ。

 

 

ゴジラが出てきたときに、日本はどうなるのか

 

個人主義のようなものが浸透して、個の協調、ゆとり教育核家族化、投票率の低下などなど、「国」や「社会」といった大きな「家」に対する意識みたいなものが希薄になっているように思われる現代日本が、いざゴジラにその存続を脅かされたときにどうするのか、と想像するに、まだ日本にはこの作品のように不眠不休で国全体で一体となって脅威と立ち向かう魂が残ってるんじゃないかなという気持ちになって胸が熱くなった。

 

「会議映画」みたいな書かれ方もしていたこともあって、もっと意味のない会議や書類ばかりでぐずぐずしているうちに日本が焼き払われるような事態になったらいやだなあと思っていたのだけれど、その心配もなく、日本人ならではの熱い戦い(国連アメリカを引き合いにだしてその差を強調したのかな?)を観ることができた。

僕以外でも「日本」とか「我々」みたいな意識を映画から感じて胸の奥が熱くなった人もいるんじゃないかなって勝手に思っている。それはゴジラが東京じゅうを焼き払って(わざわざ結構長い時間かけて焼き払われた町が登場する)しまった場面をしっかり見せることで観客も「ゴジラ討伐」に参加させたからだと思うのだけれど。いずれにしてもよくできた映画だ!

 

 

長谷川博己という俳優

 

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僕は映画を観るときに、基本的には一貫して役者を観ている。ストーリーや世界観や映像は二の次で、俳優の動きや役の演じ方や目線をずっとみて楽しんでいる。

それで、映画が終わると配役を想像で並び替えて遊んでみる。あれがああだったら面白いのにな、ここはこの役者でもできたな。などなど。

 

例えば卑近な例でいえば、最近みた「64」で主役の佐藤浩市を観て、「クライマーズハイの主人公も佐藤浩市が良かった」と思ったらクライマーズハイのドラマ版は佐藤浩市だった....とかね笑

 

今回のシンゴジラで主役をはるのは長谷川博己で、

もう僕の中では完全に「うなぎいぬ」のひと。そしてこれは監督が同じだからあれだけど進撃の巨人ね!進撃の巨人を引き合いに出してしまうと石原さとみしかり國村準しかりになってしまうんだけど。

それから去年はMOZUの狂人みたいな役がはまっていて最高だった!

 

 

今回の主人公は、知的で・生真面目で・キャリアがあって・狡猾さもあって・責任感がある役になると思うのだけれど、意外と代役が思い浮かばない。

竹野内豊の代わりはオダギリジョーでも藤木直人でも伊藤英明でもできたと思います。(冷たい)小栗旬でもぎりぎりできたと思う。

 

同年代で代わりを立てるとしたらやはり僕の中では堺雅人さんか西島秀俊さんなのだけれど、堺雅人さんがやると善人っぽすぎる(政治家特有の狡猾さが出ない)気がするのと、西島秀俊だとキャリアというよりは現場っぽい顔なのでやはり違う気がする。

となると堤真一さんならできるか?!と思うけれど52歳なので10年後に総理を狙う若手としてはちょっと歳が合わない。

佐々木蔵ノ介だったらできたかもしれない!ちょっと深みがありすぎるけれど。

あるいはユースケ・サンタマリアでもできたかもしれない!

 

などと考えると長谷川博己って意外と唯一無二のキャラクターを持った役者さんなのかもしれない!

 

わたくし様々な可能性を模索しましたが、一番ありえるのは山本耕史だと思いました…。

 

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ひょっとしたら大河ドラマ真田丸」の観すぎなだけかもしれぬ。

語りすぎてよくわからなくなったけれど会議映画と揶揄されるだけあってセリフがむちゃくちゃ多い映画だったと思うので、それを捌き切りつつキャラクターをしっかり出せる俳優で、かつ今回の役柄というとやっぱり長谷川博己になるんだね!

納得です。

 

 

裏ストーリーや監督の真意を推察する割にピンとこない記事たち

 

ほかのブログを読んでたのだけれど「小ネタ!裏話!」とあおるくせに内容は全部推察憶測の域を出ず、しかも憶測の内容が稚拙で非現実的なものばかり。

 

・博士がゴジラに変身説

・ラストカットで尻尾にいた人間らしき影は巨神兵

・同じく最後のカットはミニゴジラで増殖するつもりだった説

 

などなど、、、よくもまあというか。。

もちろんブログなんで何を書いても自由だとは思うのだけれど、タイトルで「裏話!」などとあおるのであればもう少し裏が取れてる実用的な話を教えてほしいと思ってしまいました。僕も最後のしっぽのシーンが何なのかわからないままだけれど。

 

でも空白は空白のままでいいんじゃないかと結構おもってしまうたちなんですよ。博士はどこに行ったのかとか、「私は好きにやった」の真意とか、ゴジラは結局どうしたかったのか、どこに向かっていったのかとか(靖国に向かったっていう説はちょっと面白いとは思ったけど)、そういう有機的な謎は少し謎のままにしておかないと映画としての深みというか、リアリティーが損なわれる気がする。

全部が全部観客が納得いくように映画をつくっちゃうと結果的に最後に誰かがぺちゃくちゃと説明を全部しゃべって終わるという「グラスホッパー」みたいな悲惨な作品が量産れてしまうのだという。

 

 

とにかくシンゴジラ面白かった。

もう一回今度はIMAXで観に行きたいと思います!!