鈴木ユートピア

31歳、写真、キャンプ、バイク、旅

【大失恋をしたら】7人の友人に会いにいく

お題「大失恋をしたときどう立ち直りましたか?」

 

大学生の時、大学の後輩に彼女を取られたことがあって

あの時は本当にショックだったな...。中高男子校でずっと彼女はおろか女の子と手も繋いだことない中で初めて彼女ができた状態だったから、すごかったよ。

っていうか、男が全員そうなのか、地球で僕だけがそうなのかわからないけど、初めて彼女できた時の男って結構痛いよ。痛くない?痛いよな?

こう、本当に「世界中がキミの敵になっても僕はキミを守るヨ」みたいな感じになっちゃう。自分のお気に入りの曲のプレイリストを作って、CDに焼いてプレゼントしちゃう。なんでも全てにおいて彼女が最優先っていうか。夜中1時に彼女が「寂しいの...」って言ったらタクシーに乗ってすぐに会いに行っちゃう。で、その会いに行く俺、みたいなのに酔ってるわけ痛いよ。でも仕方ないじゃん。初めての彼女ができた青年なんてそんなもんだよな。青臭くてさぁ。えー俺だけかなぁ。

 

で、その彼女がサークルの後輩に取られちゃって、あれはショックだったよな。取られたって表現するあたりがまたいかにも負け惜しみっていうか、プライドがパンパンに膨らんでて大変そうだね、お疲れ様ーって感じなんだけど、言ってしまえばあれって要は乗り換えられただけだよね。もう10年以上も前のことですが、そう考えると、「あれって取られたんじゃなくて乗り捨てられただけだよね」って言えるようになるのに10年かかったんだな。俺って青くていつまでもダサいな。

 

それでもう悲しくて悲しくて。身体中の内臓が切り刻まれたみたいに痛くて痛くて。

煙草の煙を眺めながら「今片腕を失ったら彼女が戻ってきてくれるなら全然差し出すのになー」とかぼんやり考えてた。とにかく、そのくらい打ちのめされて、周りに「もっといい女いるって!」とか「女なんか星の数ほどいるんだからさぁ」なんて言われても、全然響かないわけよ。打ちのめされちゃってるわけだから。

 

それで、えーっと本題に入ると、7人の友人に会いに行くことにしたのね。

その時は(今もそうかも)ドラマチックな思考回路を有していたもんで、1日1人、一週間別々の友達に会いに行って、お話するという企画を作ったの。

それを回復の7日間とか名付けて。

 

月曜日は雄介、火曜日は飯田先輩、水曜日はまっちゃん、木曜日は加奈子、金曜日は吉田さん、土曜日は恒平、日曜日は萌 みたいな感じで。名前は全部適当だけど。

できるだけ年齢や性別をばらけさせて、とにかく、アドバイスが欲しいとか慰めて欲しいとかっていう気持ちじゃなくて(とはいえ慰めてほしかった)とにかく話をうんうん聞いてほしかったんだよね。7人の友人に。

 

 

 

 

 

「それで君が最後の一人ってわけ。」と僕がいうと、

萌は「ふぅんなるほどねー」と言いながら紅茶を注いでくれた。

 

「その紅茶はヨギティーって言って、心が落ち着く効能があるから飲んでみて」と言った。僕は、紅茶なんかで僕の心の傷が癒えるはずがない、と思いながらも、藁をも縋る勢いで紅茶を飲んだ。喉を火傷しそうな勢いで、ぐびぐびと飲んだ。

ヨギティーは絶対日本では流行らない類の、極めて偏った香りがした。少し心が落ち着いたような気がした。

 

それから萌はタロット占いをしてくれた。それで、これから少しずつ傷を癒しながら回復の期間を経て、またハッピーが訪れるみたいよ、と言ってくれた。

これがすごくすごく救われたことを今でもよく覚えている。

 

なんだろうな、相談相手の経験を活かして「私も昔辛かったけど、その後巡り合いも会ったから元気だしなよ」みたいなことを言われて慰められるよりも、「ちょっとタロットやろうぜ!」みたいに全然違う第三者みたいなものに頼って、「なんかこれから良くなるみたいよ」って言われた方が、なんかマジっぽくて信じることができたんだよな。だから萌にはすごく感謝しているし、同時に僕に会って、どこまでもウジウジしていたであろう僕の失恋トークをひたすら聞いてくれた当時の友人たちには今でも感謝している。

 

でもこの時相談聞いてくれた友人のうちの一人が、次にできた彼女を寝とっちゃうんだけどなー!!笑

 

それはまた別のお話。

 

おしまい