鈴木ユートピア

31歳、写真、キャンプ、バイク、旅

バイクで通勤

 

バイクで通勤している。

スズキのアドレス110というバイクに乗っている。

いわゆる「おばちゃんのバイク」といった見た目で、どこにあっても目立たないというか、多分バイクに興味がない人がみても「あーよくあるよねこのバイク」くらいの言われ方はするのではないかと思う。ありふれたバイクである。

 

以前は50ccの原付で通勤していたのだけれど、左折巻き込み事故にあって全損した。それをきっかけにアドレス110に買い替えて今に至る。

50ccは場合によっては危ない。非力すぎる。その辺のドラッグストアとか、コンビニにいくだけなら良いけれど、僕は大きい国道を経由して会社に行くので、大型トラックやバスがびゅんびゅん走る中で時速30kmで「ビィーン」と走っていても危ないだけなのだ。

 

50ccを全損させて、次のバイクを買うときに僕には様々な選択肢があった。

僕は大型バイクも持っていたから、そのバイクで通勤するのも手だった。あるいは、アドレス110などではなくて、125ccのスポーツっぽい見た目のバイクを買うとか、あるいはクラシカルな雰囲気のスーパーカブを買うとか、選択肢は1つではなかったはずだ。ただ結局通勤時間が15分と短いことや、ストップアンドゴーが非常に多いこと、すり抜けが多いこと、渋滞することもあること等あらゆる要素を考慮するとアドレス110になってしまったのだ。僕が思うに大抵のことはあらゆる要素を考慮しすぎるとつまらない着地になるのものなのだ。僕たちが好むと好まざるとに関わらず。

 

大人として、色々考慮した結果のモノをチョイスするのが正しさなのか。

というのは最近疑問だ。特にバイクなんかは、基本的には嗜好品であるから、多少燃費が悪かったり乗り心地が良くなかったりしても、「でもこのエンジン音がたまらないぜ」とか「それでもこの相棒を長らく乗っているから俺はこいつしかいないぜ」なんて言って乗っていればいい気がする。そういう嗜好品の領域について「燃費はどうだろうか」「耐久性はどうか」などと考慮しすぎることがそもそも無粋なのだと思う。大型バイクは突き詰めれば「クルマ乗れば?」になるし、小型バイクは突き詰めれば「原付のれば?」になってしまう。

 

もっと無駄を愛すべきだ。コスパを最優先にして、僕はあまりにもショートカットをしすぎてしまった。僕が僕に求めているのはおそらく抜け道ではなく回り道なのだ。

 

おしまい